下記の文章はGlyphs3ハンドブックを個人的に日本語に訳したもので、内容には誤訳を含む可能性もあります。誤訳により生じた一切の責任については負いかねますので予めご了承ください。 参考サイト:Glyphs3 Handbook(PDF)、Glyphs2.3ハンドブック日本語版(PDF)、Glyphs Handbook(WEB)、Microsoft Typography documentation、CSSでのOpenType 機能の構文
第1章 Glyphs 第2章 作成 第3章 環境設定 第4章 編集ビュー 第5章 パレット 第6章 フィルタ 第7章 フォントビュー 第8章 フォント情報 第9章 図形の再利用 第10章 スペーシングとカーニング 第11章 PostScriptヒンティング 第12章 TrueTypeヒンティング 第13章 マルチプルマスター 第14章 カラーフォント 第15章 読み込みと出力 第16章 拡張機能 第17章 補足資料(作成中)
スクリプトやプラグインを使うことで、Glyphsの機能を拡張することができます。すでに多くのスクリプトやプラグインが開発されており、プラグインマネージャーから自由にダウンロードすることができます。また、有料の拡張機能もオンラインで入手できます。特定のニーズに応じたカスタム拡張機能を作成することも可能です。
全てのスクリプトとほぼ全てのプラグインは、プログラミング言語のPythonで書かれています。これらをGlyphsで実行するために、アプリケーションの環境設定でPythonの設定を確認する必要があります(3.6.1「Python バージョン」参照)。
16.1 プラグインマネージャー
「ウィンドウ」→「プラグインマネージャー」から、無料で利用できるスクリプト、プラグイン、モジュールのリストを見ることができます。
ウィンドウの上部には2種類のフィルタグループが用意されています。「すべて」「インストール済み」「未インストール」ボタンで、拡張機能をインストール状況に応じてフィルタリングできます。「プラグイン」「スクリプト」「Python モジュール」ボタンで、拡張機能の種類別にフィルタリングできます。ウィンドウの右上にある検索フィールドにキーワードを入力して、拡張機能の名前、説明、ベンダー名で検索することができます。
拡張機能をインストールするには、それぞれの拡張機能の横にある緑色の「Optionキーを押しながら「スクリプト」→「スクリプトメニューを更新」(Cmd–Opt–Shift–Y)を選択することで、Glyphsを再起動せずに読み込むことができます。バージョンが更新された拡張機能は自動的にインストールされます。
」ボタンをクリックします。拡張機能をアンインストールするには、赤色の「 」ボタンをクリックします。新しくインストールしたプラグインやPythonモジュールを使用する場合は、Glyphsを再起動する必要があります。新しくインストールしたスクリプトは、プラグインマネージャーウィンドウ内のプレビュー画像をクリックすると、フルサイズで表示されます。拡張機能の説明の下にある灰色のリンクをクリックすると、ウェブサイトを見ることができます。拡張機能ベンダーの中には、PayPalやKo-fiでの寄付を受け付けているところもあります。アイコンをクリックして寄付ページを開くことができます。
プレビュー画像をクリックすると、フルサイズで表示されます。拡張機能の説明の下にある灰色のリンクをクリックすると、そのウェブサイトを見ることができます。一部の拡張機能ベンダーは、PayPalやKo-fiを通じて寄付を受け付けています。アイコンをクリックして寄付ページを開くことができます。
プラグインマネージャには定期的に新しい拡張機能が追加されます。新しい拡張機能を登録したい場合は、Glyphsプラグインリポジトリでプルリクエストを開くか、Glyphsフォーラムまたは直接メールでGlyphsチームに連絡してください。新しい拡張機能の作成については、16.2.3「スクリプトの作成」および16.3.2「プラグインの作成」を参照してください。
プラグインマネージャーは、すべてのユーザーがアクセス可能なメインリポジトリから拡張機能をリストアップしています。また、3.6.3「代替のプラグインリポジトリ」に記載されている手順に従って、代替リポジトリを追加することもできます。これらのリポジトリは、Glyphsの設定で同じ代替リポジトリを登録したユーザーにのみプラグインマネージャに表示されます。
16.2 スクリプト
スクリプトはプログラミング言語のPythonで書かれており、Glyphsのあらゆる部分を自動化することができます。一部のスクリプトは特定のモジュールのインストールが必要です。これらのモジュールは、プラグインマネージャーの「Python モジュール」タブからインストールしてください(16.1「プラグインマネージャー」参照)。
16.2.1 スクリプトの実行
インストールされたすべてのスクリプトは「スクリプト」メニューからアクセスできます。多くのスクリプトでは、メニュー項目の上ににマウスポインタを数秒間置くと短い説明が表示されます。メニュー項目をクリックすると、そのスクリプトが実行されます。
スクリプトにキーボードショートカットを割り当てることで、キーを押すだけでスクリプトを実行できるようになります。詳細は3.7「ショートカット」を参照してください。最後に実行したスクリプトは、Cmd–Opt–Rを押すか、「スクリプト」→「前回使用したスクリプトを実行」から再実行できます。
16.2.2 スクリプトフォルダ
Script メニューには、Scripts フォルダのファイルが反映されます。Script → Open Scripts Folder (Cmd-Shift-Y)でScriptsフォルダを開きます。Optionキーを押しながら、Script → Reload Scripts(Cmd-Opt-Shift-Y)を選択して、スクリプトメニューをリロードします。
「スクリプト」メニューには、コンピューター内のScriptsフォルダのファイルが反映されます。「スクリプト」→「Scripts フォルダを開く」(Cmd–Shift–Y)でScriptsフォルダを開きます。フォルダの内容を変更した後は、Optionキーを押しながら「スクリプト」→「スクリプトメニューを更新」(Cmd–Opt–Shift–Y)を選択して、スクリプトメニューを再読み込みします。
16.2.3 スクリプトの作成
スクリプトを追加するには、Scriptsフォルダ内に「.py」で終わるファイルを作成します。「.py」より前の部分は任意ですが、わかりやすくするために、スクリプトメニューに表示されるようなファイル名にすることをお勧めします(例:Some Script.py)。サブフォルダーを作成して、スクリプトをグループ化することもできます。Pythonファイルの冒頭に以下の形式でコメントを追加します。
# MenuTitle: Script Name
「Script Name」は、スクリプトメニューに表示される名前に置き換えてください。メニュー項目にマウスポインタを置いたときに表示される説明文を追加するには、# MenuTitle行の下に以下のコードを記述します。
__doc__="Description"
「Description」の部分をスクリプトの説明文に置き換えてください。説明文は複数行にわたって記述することもできます。
__doc__="""
This description spans multiple lines.
Here is the second line.
"""
実際にスクリプトを書く場合は、Glyphs Python API documentationを参照してください。Glyphsのウェブサイトには、Pythonプログラミングの最初のステップから高度なスクリプトの書き方までのチュートリアルシリーズが用意されています。また、既存のスクリプトのコードを見ることも学習の良い方法です。何か質問があれば、Glyphsフォーラムで質問するか、Glyphsチームに直接連絡してください。
16.3 プラグイン
プラグインは、Glyphsにさまざまな機能を追加します。プラグインは以下のタイプに分類されます。
- レポータープラグイン(ファイル名の拡張子が.glyphsReporter):
編集ビューに追加情報を描画します。「表示」メニューの下部にある「…を表示」の項目で制御できます。 - フィルタープラグイン(.glyphsFilter):
グリフレイヤーを処理します。「フィルタ」メニューから実行することができます。一部のプラグインは「Filter」カスタムパラメータを使用して実行できます(6.1.2「カスタムパラメータとしてのフィルタ」参照)。 - パレットプラグイン(.glyphsPalette):
パレットにエントリを追加します(「ウィンドウ」→「パレット」、Cmd–Shift–P)。詳細は第5章「パレット」を参照してください。 - ファイルフォーマットプラグイン(.glyphsFileFormat):
追加のファイル形式の読み込みや出力をサポートします。 - ツールプラグイン(.glyphsTool):
ツールバーにツールを追加し、編集ビューで利用できる新しい機能を追加します。 - 一般プラグイン(.glyphsPlugin):
上記のタイプのいずれにも属さない機能を追加します。
16.3.1 プラグインのインストール
プラグインマネージャーからワンクリックでプラグインをインストールできます。プラグインはGlyphsの起動時に読み込まれるため、新しくインストールしたプラグインを読み込むにはGlyphsを再起動する必要があります。プラグインによっては、特定のモジュールのインストールが必要なものもあります。これらのモジュールはプラグインマネージャーの「Python モジュール」タブからインストールしてください。
プラグインを手動でインストールするには、プラグインをDockのGlyphsアプリアイコンにドラッグ&ドロップします。インストールされたプラグインは「Plugins」フォルダに移動されます。「Plugins」フォルダは「Scripts」フォルダの隣にあります。Macのセキュリティシステム上の問題を避けるため、「Plugins」フォルダに手動でプラグインを移動しないでください。
プラグインをアンインストールする場合は、「Plugins」フォルダーからプラグインを削除します。
プラグインマネージャーからインストールしたプラグインは、プラグインマネージャーからアンインストールできます。
16.3.2 プラグインの作成
プラグインは、Glyphs SDKを使用してPythonまたはObjective-Cで記述します。Glyphs SDK(Software Development Kit)は、Glyphsプラグインを作成するためのオープンソースのテンプレートセットです。このテンプレートは、PythonとObjective-Cの両方で利用できます。
「プラグインの作成」チュートリアルでは、プラグイン開発の基本概念を紹介しています。完全なリファレンスについては、Glyphs Python API Documentationおよび Glyphs Objective-C API documentationを参照してください。
ご不明な点がありましたら、Glyphsフォーラムでご質問いただくか、Glyphsチームに直接お問い合わせください。
また、Glyphs SDKは、外部アプリケーションからGlyphsと相互運用するためのメソッドも提供します。SDKに加えて、GlyphsはOpen Scripting Architectureをサポートしており、AppleScriptやJavaScriptを使用した自動化が可能です。
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